お知らせ

2025/07/10

事務所通信7月号

事務所通信

令和7年度税制改正により、所得税の「基礎控除」や「給与所得控除」に関する見直しが行われました。    これらの改正は原則として、令和7年12月1日に施行され、令和7年分以後の所得税について適用されます。   このため今年の12月に行う年末調整など令和7年12月以後の源泉徴収事務に変更が生じます(令和7年11月までの源泉徴収事務には変更は生じません)。

 

1.源泉徴収事務に変更を及ぼす改正とは

令和7年度税制改正では、税負担の調整や就業調整への対応のため、所得税においては主に次の見直しが行われています。

給与所得控除  最低保障額を65万円に(従来から10万円引き上げ)

 

所得控除の新設 (特定親族特別控除)  大学生年代(19歳以上23歳未満)の一定の親族等を有する場合には、その親族等の合計所得金額に応じた控除額(3万円~63万円)を控除

 

基礎控除  合計所得金額が2,350万円以下である場合に控除額を58万円に(従来から10万円引き上げ)

特例として、合計所得金額が655万円以下である場合に、合計所得金額に応じた金額(5万円~37万円)を加算する

 

これらの見直しに伴い、扶養親族等の合計所得金額等の要件も、次のように見直されています。

 

同一生計配偶者及び扶養親族  合計所得金額要件を58万円以下に(従来から10万円引き上げ)

 

ひとり親の生計を一にする子  総所得金額等の合計額の要件を58万円以下に(従来から10万円引き上げ)

 

勤労学生  合計所得金額要件を85万円以下に(従来から10万円引き上げ)

 

その他、給与所得の源泉徴収税額表(月額表)など、源泉徴収事務に係る税額表や申告書等についても見直されました。

 

2.源泉徴収事務への反映時期

(1)月々の給与等を支払う際に行う源泉徴収事務

令和8年1月1日以後に支払うべき給与等については改正後の月額表等によって計算することになります。ただし、扶養親族等の合計所得金額等の要件の改正は令和7年12月1日以後に支払う給与等から適用されます。改正の適用を受けるには一定の書類の提出が必要となります。

 

(2)年末調整事務

年末調整を行う際に用いる税額表や申告書等の書類、対象となる扶養親族等の要件等の改正については、令和7年中に支払うべき給与等でその最後に支払いをする日が令和7年12月1日以後であるものから適用されます。

そこで、今年の年末調整における留意事項としては次のようになります。

  • 従業員の方に、改正により新たに扶養控除等の対象となる親族等がいないか確認をしてもらい、いる場合には、「扶養控除等(異動)申告書」の提出をしてもらう。
  • 特定親族特別控除の適用を受けようとする従業員の方から「給与所得者の特定親族特別控除申告書」の提出をしてもらう。
  • 改正後の基礎控除額や給与所得控除額等に基づいて年末調整の計算をする。

※①の申告書は原則として今年の12月1日以後最初に給与の支払を受ける日の前日までに提出することとなりますが、年末調整を行う時までに申告書の提出があればその申告に基づいて年末調整を行うことができますので、従業員の方に申告を忘れないように周知が必要です。

 

2025/07/10

2025年7月の税務

税金カレンダー

2025年7月の税務に関する税務スケジュールを分かりやすくまとめております。

 

 

 

6月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

納付期限:7月10日(木)

 

5月決算法人の確定申告

申告期限:7月31日(木)

 

11月決算法人の中間申告

申告期限:7月31日(木)

 

固定資産税(都市計画税)の第2期分

納付期限:7月中において市町村の条例で定める日

 

所得税の予定納税の減額申請

申告期限:7月15日(火)

2025/04/14

2025年4月の税務

税金カレンダー

2025年4月の税務に関する税務スケジュールを分かりやすくまとめております。

4月10日(木)⇒ 3月分の源泉所得税・住民税の納期限

 

4月23日(水)⇒ 申告所得税及び復興特別所得税の振替日

 

4月30日(水)⇒ 消費税及び地方消費税(個人事業者)の振替日

 

4月中において市町村の条例で定める日

⇒ 固定資産税(都市計画税)の第1期分の納期限

 

4月30日(水)⇒ 2月決算法人の確定申告、8月決算法人の中間・予定申告

 

5月12日(月)⇒ 4月分の源泉所得税・住民税の納期限

 

6月 2日(月)⇒ 3月決算法人の確定申告、9月決算法人の中間・予定申告

2025/04/14

事務所通信4月号

お知らせ・更新情報

今回は、ご存じの方も多いと思いますが今一度「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」についてお話しします。

1.少額減価償却資産の特例とは

少額減価償却資産の特例とは、中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を、平成18年4月1日から令和8年3月31日までの間に取得などをして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、事業年度あたり合計300万円を限度に即時償却(全額損金の額に算入)することができる制度のことを言います。

2.適用対象法人

少額減価償却資産の特例の対象となる法人は中小企業者等です。この場合における中小企業者等とは、大規模法人の支配を受けていない資本金1億円以下の青色申告法人で、常時使用する従業員数が500人以下の法人であるなど、一定の法人等を指します。法人が中小企業者等に該当するかどうかの判定は原則として、少額減価償却資産の取得などをした日および少額減価償却資産を事業の用に供した日の現況によるものとされます。

3.適用対象資産

この特例の対象となる資産は、取得価額が30万円未満の減価償却資産です。器具及び備品、機械・装置等の有形減価償却資産のほか、ソフトウエア、特許権、商標権等の無形減価償却資産も対象となり、中古資産であっても対象となります。

ただし、この適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円(事業年度が1年に満たない場合には300万円を12で除し、これにその事業年度の月数を掛けた金額。月数は、暦に従って計算し、1ヶ月に満たない端数を生じたときは、これを1ヶ月とします)を超えるときは、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となります。

なお、令和4年4月1日以後に取得などする場合は、少額減価償却資産から貸付け(主な事業として行われるものは除きます)の用に供したものが除かれます。

4.判定のポイント

(1)消費税の経理方式

取得価額が30万円未満とは、消費税の経理方式が税込であれば税込で、税抜であれば税抜で判断します。

(2)他制度との選択

①この特例の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の特別償却、税額控除、圧縮記帳との重複適用はできません。ただし、IT導入補助金など法人税法上の圧縮記帳との併用は可能です。

②取得価額が20万円未満であれば3年間の均等償却(一括償却資産の損金算入)を選択することができる他、10万円未満であれば少額の減価償却資産として損金とすることができます。これらのいずれかを選択した場合は、償却資産として固定資産税の対象とはなりませんが、少額減価償却資産の特例を適用した場合には、償却資産として固定資産税の対象となります。そのために固定資産税との兼ね合いも考えて他制度との選択をする必要があると言えます。

(3)比較

対象 取得価額 償却方法 固定資産税
中小企業者等のみ 10万円以上

30万円未満

全額損金算入

(即時償却)

課税
全ての企業 10万円以上

20万円未満

3年間で均等償却 非課税
全ての企業 10万円未満 全額損金算入

(即時償却)

非課税

 

5.手続き

この特例の適用を受けるためには、事業の用に供した事業年度において、少額減価償却資産の取得価額に相当する金額につき損金経理するとともに、確定申告書に少額減価償却資産の取得に関する明細書(別表16(7))を添付して申告することが必要となります。

 

2025/01/17

事務所通信1月号

事務所通信

 

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申しあげます。

さて、2025年度の税制改正大綱が公表されました。今回の改正では、さまざまな改正案が提出されていますが、その中でも身近な改正案をご紹介します。

 

 

 

◆2025年度税制改正大綱

 

 

Ⅰ.個人所得課税

 

 

■基礎控除の引上げ

 

(1)内容 合計所得金額が2,350万円以下である個人の控除額を10万円引き上げる。

 

(2)適用時期 令和7年分以後の所得税に適用。給与等及び公的年金等の源泉徴収では、令和8年1月1日以後に支払うべき給与等又は公的年金等に適用する。

 

 

■給与所得控除の引上げ

 

(1)内容 最低保障額55万円を65万円に引き上げる。「給与所得の源泉徴収税額表(月額表、日額表)」、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」、「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」等について、所要の措置を講ずる。

 

(2)適用時期 令和7年分以後の所得税に適用。「給与所得の源泉徴収税額表(月額表、日額表)」及び「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の改正は、令和8年1月1日以後に支払うべき給与等に適用する。

 

 

■特定親族特別控除(仮称)の創設

 

(1)内容 居住者が生計を一にする19歳以上23歳未満の親族等(居住者の配偶者及び青色事業専従者等を除く。合計所得金額が123万円以下であるものに限る)で控除対象扶養親族に該当しないものを有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額等から一定の控除額を控除する(①)。控除額が一定額以上の場合には、給与等及び公的年金等の源泉徴収の際に適用できる(②)。

 

(2)適用時期 ①は令和7年分以後の所得税に適用し、②は令和8年1月1日以後に支払うべき給与等又は公的年金等に適用する。給与所得者は令和7年分の年末調整で適用できるほか、所要の経過措置を講ずる。

 

 

 

Ⅱ.消費課税

 

 

■外国人旅行者向け消費税免税制度(輸出物品販売場制度)の見直し

 

(1)内容 外国人旅行者に消費税相当額を含めた価格で免税対象物品を販売し、出国時に持出しが確認された場合に輸出物品販売場を経営する事業者から消費税相当額を返金する「リファンド方式」とする。また、免税対象物品の範囲が見直され、消耗品について免税購入対象者の同一店舗一日当たりの購入上限額(50万円)及び特殊包装を廃止し、一般物品と消耗品の区分を廃止する。

 

(2)適用時期 令和8年11月1日以後に行われる免税対象物品の譲渡等について適用する。

 

 

 

Ⅲ.資産課税

 

 

■個人の事業用資産に係る贈与税の納税猶予制度

 

(1)内容 事業従事要件について、贈与の直前において(現行:贈与の日まで引き続き3年以上)特定事業用資産に係る事業に従事していたこととする。

 

(2)適用時期 令和7年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税について適用する。

 

 

■非上場株式等に係る贈与税の納税猶予の特例制度

 

(1)内容 役員就任要件について、贈与の直前において(現行:贈与の日まで引き続き3年以上)特例認定贈与承継会社の役員等であることとする。

 

(2)適用時期 令和7年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税について適用する。

 

 

 

Ⅵ.その他 防衛特別法人税を創設

 

 

■防衛特別法人税(仮称)を創設

 

(1)内容 各事業年度の所得に対する法人税を課される法人は、防衛特別法人税を納める義務がある。法人の各課税事業年度の基準法人税額(所得税額の控除や外国税額の控除等の制度を適用しないで計算した各事業年度の所得に対する法人税の額)について、当分の間、防衛特別法人税を課する。防衛特別法人税の額は、各課税事業年度の課税標準法人税額(基準法人税額から基礎控除額(年500万円)を控除した金額)に4%の税率を乗じて計算した金額とする。

 

(2)適用時期 令和8年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。

 

事務所通信

税金カレンダー

よくある質問


いづみ税理士事務所

〒810-0001
福岡市中央区天神1丁目15-33
プライマリー天神