2023/04/23
2023年4月の税務に関する税務スケジュールを分かりやすくまとめております。
3月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
納期限:令和5年4月10日(月)
2月決算法人の確定申告
申告期限:令和5年5月1日(月)
8月決算法人の中間申告
申告期限:令和5年5月1日(月)
2023/03/11
令和5年10月1日から消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度(適格請求書等保存方式)が、いよいよ開始されます。そこで今一度インボイスについてお話しさせていただきます。
Ⅰ.インボイス制度とは
インボイス制度とは原則として、適格請求書等(インボイス)を、売り手、買い手のそれぞれの立場で保存する制度のことを言います。
売り手 |
消費税の課税事業者である買い手からの求めに応じてインボイスを交付し、その写しを保存。ただし、インボイスを交付できるのは適格請求書発行事業者のみ |
買い手 |
仕入税額控除を適用するために交付を受けたインボイスを保存 |
Ⅱ.売り手側
(1) 交付の義務
■適格請求書発行事業者には、買い手(課税事業者)の求めに応じ、適格請求書を交付する義務があります。
■適格請求書を交付することが困難であると認められる一定の取引については交付義務が免除されます。
■返品や値引き等、売上に係る対価の返還を行う場合には適格返還請求書等を交付します。
買い手(相手) |
交付義務の有無 |
課税事業者 |
交付義務あり |
免税事業者・一般消費者 |
交付義務なし |
(2)保存の義務
交付した適格請求書等について写しを保存する義務があります。
(3) 適格請求書の交付義務が免除される取引
■3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送
■出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の譲渡(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限る)
■生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限る)
■3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる課税資産の譲渡等
■郵便切手を対価とする郵便サービス(郵便ポストに差し出されたものに限る)
Ⅲ.買い手側
一般課税の場合には、帳簿と請求書等の保存が仕入税額控除の適用要件となります。
(1) 保存が必要となる帳簿
現行と同様に次の事項を記載した帳簿の保存が必要となります。
① 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
② 取引年月日
③ 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
④ 対価の額
(2)保存が必要となる請求書等
仕入税額控除の要件として保存が必要となる請求書等には以下のものが含まれます。
① 売り手が交付する適格請求書又は適格簡易請求書
② 買い手が作成する仕入明細書等(適格請求書の記載事項が記載され、相手方の確認を受けたもの)
※簡易課税制度を選択して簡易課税方式により消費税を計算している場合には課税売上高から納付する消費税額を計算することから、適格請求書等の保存は仕入れ税額控除の適用要件ではありません。
Ⅳ.税制改正大綱で示された改正案
■1万円未満の値引き・返品はインボイスがなくてもOK
値引きや返品、割り戻しには返還インボイスの交付が必要ですが、1万円未満の値引き等の場合には、返還インボイスの交付が不要となります。
■登録申請期限が緩和
課税期間の初日を登録日とする場合の申請期限が、課税期間の初日から起算して15日前の日までに短縮されます。なお、登録日を制度開始日の令和5年10月1日とするには令和5年3月末までの申請が原則必要とされていましたが令和5年9月30日までの申請であれば制度開始日の登録に間に合うこととなりました。
2023/03/11
2023年3月の税務に関する税務スケジュールを分かりやすくまとめております。
2月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
納期限:令和5年3月10日(金)
1月決算法人の確定申告
申告期限:令和5年3月31日(金)
7月決算法人の中間申告
申告期限:令和4年3月31日(金)
令和4年分贈与税の申告
申告時期:令和5年2月1日(水)~3月15日(水)
令和4年分所得税の確定申告
申告時期:令和5年2月16日(木)~3月15日(水)
2023/02/12
2023年2月の税務に関する税務スケジュールを分かりやすくまとめております。
2023/01/13
◆2023年度税制改正大綱 NISA拡充
Ⅰ.NISA(少額投資非課税制度)とは
NISAとは、個人の資産運用を後押しし、家計の資産を「貯蓄」から「投資」に振り分けることを目的とした制度です。これまで投資枠や投資可能期間は限定的でしたが、2023年度税制改正により拡充および恒久化されました。
Ⅱ.改正前
現行NISAには、次の3つの種類がありますが、いずれも期限付きの措置で資産の購入額に上限が設けられていることが課題となっていました。
① 一般NISA
株式・投資信託等を年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できる
② つみたてNISA
一定の投資信託を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有できる
③ ジュニアNISA
株式・投資信託等を年間80万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できる
出典:金融庁
Ⅲ.改正内容
(1) 恒久化
これまでNISAの非課税保有期間には上限がありましたが、改正により期間は撤廃、非課税保有期間は「無期限」となりました。恒久化になるのは、2024年1月1日以降です。
(2) 「新NISA」の創設
これまでNISAは「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類でしたが、かねてからジュニアNISAについては2023年末で終了することが決まっています。
加えて、2023年度税制改正により一般NISAとつみたてNISAを1つにまとめ「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が設けられることとなりました。それぞれの年間投資上限額は、次の通りです。
•つみたて投資枠:120万円
•成長投資枠:240万円
つみたて投資枠と成長投資枠は併用可能のため、年間最大360万円まで投資できます。ただし、生涯非課税額には1,800万円(内、成長投資枠1,200万円)の上限があります。