2026/08/12
事務所通信8月号
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土地やマンションの不動産価格は全国的に高くなり、株価も円安等を背景とした上昇傾向にあります。よって、これらの資産を保有し売却することで得られる所得も、これまで以上に大きくなる可能性が高くなります。今回は、一定以上の所得水準を対象とした制度とその改正についてご紹介します。
高所得者を対象とした制度
令和8年度税制改正大綱において、個人所得税についていくつかの見直しがされました。そのうち、極めて高い水準の所得に対する負荷の適正化措置(通称:ミニマムタックス)についての改正は、株式や不動産を所有する方に大きな影響を与えるものとなります。
1.ミニマムタックスとは
日本の税制では、給与所得などは累進課税である一方、株式や不動産の譲渡所得などは一律約15%から20%の申告分離課税となっています。そのため不動産や株式を多く所有し所得が数億を超えるような高所得者は、全体の所得に占める分離課税の割合が高くなり、結果として所得税の負担率が低下する問題が生じていました。この不均衡を是正し、税負担の公平性を確保する目的で令和5年より導入されたのがミニマムタックスです。
2.特別控除額と適用税率の改正
現行の制度では、通常の所得税額と「(基準所得金額-特別控除額3.3億円)×最低税率22.5%」で計算した「最低負担額」を比較し、最低負担額が通常の所得税額を上回った場合、その差額を追加で納付する仕組みとなっています。
令和8年度税制改正大綱では、このミニマムタックスの基準が見直され、課税が大幅に強化されることになります。具体的には、計算式において基準所得金額から差し引く「特別控除額」が現行の3.3億円から1.65億円へと半減されます。さらに、控除後の金額に掛ける「適用税率(最低負担率)」が、現行の22.5%から30.0%へ引き上げられます。

(引用:税務通信 3891号より)
2.基準所得金額の範囲
基準所得には総合課税および分離課税の対象となる所得に加え、申告不要を選択した特定口座の上場株式等の譲渡所得や配当所得も含まれます。

(引用:税理士法人山田&パートナーズ 「税制改正のポイントと解説」より)
3.その他の注意点
この改正は令和9年(2027年)分以後の所得税から適用されます。そのため高額な資産の売却を検討されている方は、令和8年中の売却完了や契約締結を検討することをおすすめします。また計算の基礎となる基準所得金額は、各種所得控除が考慮されません。そのため、例えばふるさと納税をたくさん行ったとしても、この制度における所得税の減税効果が見込めない点に注意が必要です。











