2012/04/10
事務所通信4月号
4月10日(火)⇒ 3月分源泉所得税の納期限 |
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減価償却制度の改正
平成23年12月に法人の減価償却制度に関する規定が改正されました。この規定は原則として、平成24年4月1日以後に終了する事業年度の法人税から適用されます。今回はこの減価償却の改正点について触れたいと思います。
1.200%定率法の導入
定率法は、減価償却資産の期首帳簿価額に一定の償却率を乗じることにより減価償却費を算定する方法です。よって、計上される減価償却費は毎年逓減していくことになります。
今回の改正では、平成24年4月1日以後に取得する減価償却資産の定率法の償却率について、定額法の償却率を2.5倍した償却率(以下この償却率による償却方法を「250%定率法」といいます。)から、定額法の償却率を2倍した償却率(以下この償却率による償却方法を「200%定率法」といいます。)に引き下げられました。
この改正により、平成24年4月1日以後に取得した資産で、定率法により減価償却を行うときは、取得後から一定の期間の減価償却費が従来よりも少なくなります。しかし、一定の年数を経過した後の、耐用年数の到来までの部分については計上する減価償却費は大きくなります。
減価償却費の合計額は変わりませんので、耐用年数にわたって費用に配分されるバランスが変更されたという捉え方になります。
定率法による資産の期首帳簿価額の推移
2.特例措置
改正事業年度(平成24年4月1日前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度)においてその有する減価償却資産について定率法を選定している場合には、平成24年4月1日からその事業年度終了の日までの期間内に取得した減価償却資産については、その減価償却資産を平成24年3月31日以前に取得をしたものとみなして、250%定率法により償却することができます。
これにより、改正事業年度において取得した減価償却資産については、平成24年4月1日以後に取得したものも含めて全て250%定率法により償却できることとなります。
この特例措置は法人が任意に選択することができ、選択するに当たり所轄税務署長への届出等の手続きはありません。
また、税務署に届出書を提出することにより、平成19年4月1日から平成24年3月31日までの間に取得した250%定率法を用いている減価償却資産について、200%定率法の適用を行うことも可能になっています。この届出書により適用を受ける減価償却資産は、上記250%定率法を用いていた全ての資産になり、資産ごとに方法の選択を行うことはできません。
この届出書の提出期限は、平成24年4月1日の属する事業年度の確定申告書の申告期限となっています。
3.資本的支出
平成19年4月1日から平成24年3月31日までの間に取得した、250%定率法を用いている減価償却資産について資本的支出を行った場合には、その部分について追加減価償却資産という形になり、200%定率法により減価償却を行うこととなっています。
編集後記 イラン情勢の緊迫化などもあり、原油価格が高騰し、ガソリンの値上げが中々止まりません。また、原油高の影響は、原発の停止に伴う火力発電への需要の高まりから、電気料金の値上げにも繋がる可能性があります。 |