2019/07/11
事務所通信7月号
住宅ローン控除の特例を創設
令和元年度税制改正で、消費税率引上げに伴い住宅に対する税制上の支援措置として、個人が住宅の取得等をして、令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に居住の用に供した場合について、住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の特例が創設されました。
控除期間は現行の10年から13年に拡大
適用年の1年目から10年目までの10年間においては、従来の住宅ローン控除における税額控除を受けることができます。
適用年の11年目から13年目までの各年の住宅ローン控除額は(1)一般の住宅の場合(2)認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合(3)その他一定の場合の3つの区分に応じて、次の①又は②のいずれか少ない金額を控除することができます。
① 住宅借入金年末残高×1%((3)は1.2%) |
② 建物購入価格×2%÷3年 |
住宅借入金年末残高及び建物購入価格については、上記の(1)一般住宅の場合は4,000万円を限度とし(2)認定住宅及び(3)一定の場合は5,000万円を限度としています。
具体例
今年10月に自己資金1,500万円と住宅ローン5,000万円を元手に一般住宅を6,500万円(建物3,000万円、土地3,500万円)で取得し、同年12月に入居する場合における住宅ローン控除額の計算方法です。
(住宅借入金年末残高×1%) (建物購入価格×2%÷3年)
4,000万円×1%=40万円 > 3,000万円×2%÷3年=20万円
適用年 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
控除額 |
40 |
40 |
40 |
40 |
40 |
40 |
40 |
40 |
40 |
40 |
20 |
20 |
20 |
単位:万円
この場合、適用年の1~10年目については各年40万円を限度に住宅ローン控除を適用することができます。適用年の11年目~13年目については①住宅借入金年末残高×1%と②建物購入価格×2%÷3年のいずれか少ない金額となるので、上記のとおり建物購入価格分の方が年20万円で、住宅借入金年末残高分40万円よりも少ない金額となります。
したがって、適用年の1年目から10年目までは年40万円、適用年の11年目から13年目までは年20万円を上限として税額控除することができることとなります。
※上記具体例は特定取得または特別特定取得の場合を前提としています。
特定取得・特別特定取得とは
特定取得とは、住宅の取得等の対価の額に含まれる消費税の税率が8%の場合の住宅の取得等をいいます。したがって、消費税率が5%の場合や、個人間の売買契約で住宅の取得等の対価の額に消費税が含まれていないような場合は特定取得には該当しません。
特別特定取得とは、住宅の取得等の対価の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合をいいます。