2014/03/10
事務所通信3月号
白色申告書の記帳義務化・帳簿保存制度
〈改正の概要〉
個人で事業をしている方や副業を持っておられる方、不動産所得がある方で白色申告の方も多いと思いますが、この白色申告の大きなメリットであった、記帳義務がないという部分が平成26年1月から変更になりました。これまで記帳・帳簿等の保存制度の対象者は、白色申告の方のうち前々年分もしくは前年分の事業・不動産・山林所得の金額の合計額が300万円を超えた方だけでしたが、事業・不動産・山林所得を生ずべき業務を行う全ての方で、さらに、所得税及び復興特別所得税の申告の必要のない方も記帳・帳簿等の保存制度の対象となりました。
保存する帳簿は、収入金額や必要経費を記載した帳簿書類のほか、取引に伴って作成した帳簿や受け取った請求書・領収書などです。また、帳簿・書類によって保存期間が定められています。
<記帳・帳簿等の保存義務>
<帳簿等の保存期間>
〈この改正を機に青色申告への変更も検討〉
今までは記帳義務がなかったために白色申告を選択していた方も多かったと思います。今回の改正(記帳義務化・帳簿保存)によって、白色申告のメリットが減ったとも言えるのではないでしょうか。これを機に青色申告への変更も検討されてみてもいいかと思います。
青色申告には以下のような特典があります。
・最高65万円の特別控除
・家族への給与(専従者給与)が必要経費になる
・減価償却の特例が受けられる
・赤字損失を3年間繰り越せる
ただし、青色申告をしようと決めても、手続きが必要になります。
まずは所轄税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を、家族に給与を支払う場合には「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出しなければなりません。これらの手続きはいつでもできるものではなく、提出期限がありますので注意が必要です。なお、白色申告から青色申告に切り替える場合は、青色申告にしようとする年の3月15日までとなります。