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2013/03/12

事務所通信3月号

事務所通信

 

共通番号制度(マイナンバー)

 

 

 今月3月1日、政府は、昨年の衆議院解散でいったん廃案になった共通番号(マイナンバー)法案を修正し、国会に提出しました。制度が導入されれば、給付の申請や税の確定申告などが簡単になるほか、税・社会保険料の適正な徴収や給付につながるということです。

 この法案はまだ成立しておらず、国会の情勢次第では先延ばしになる可能性もありますが、簡単に法案のポイントを紹介したいと思います。

 

 

<「マイナンバー」法案のポイント>

 

  ・住民票コードから国民一人ひとりに番号をつける

  ・番号を記した通知カードを2015年中に送付したうえ、通知カードと引き換えに番号情報入りのICチップが

   搭載された顔写真付きのカードを受け取る

  ・2016年1月以降、納税や年金の照会などから順次番号を使った手続きが可能

  ・2017年1月から国税庁や日本年金機構など国の機関が番号で個人情報を交換、同年7月からは地方税などを

   所管する地方自治体も情報交換に参加

  ・個人情報保護のため、番号を扱う行政機関を監視・監督する「特定個人情報保護委員会」を設置

  ・法施行から3年後をめどに民間企業などへ共通番号の利用範囲の拡大を検討

 

 この制度のメリットは、複数の役所に分かれた情報を照合するのにかかっていた手間が省かれ、利用者も申請に必要な書類を集めに何ヶ所も窓口を訪ね歩く必要がなくなることです。

 例えば、現在は年金などの受給申請や児童扶養手当の申請には、納税証明書や源泉徴収票、住民票、都道府県による障害者手帳など、複数の行政機関に足を運び、書類を揃える必要がありますが、利用が始まる2016年からは、このカードを窓口に提出すれば、1ヶ所で手続きが可能になります。関連当局が番号でデータを管理しているので所得水準など受給資格を素早く確認できるということです。自宅のパソコンで自分の情報を確認でき、納税や年金記録も把握しやすくなります。

 

 ただ、デメリットもあります。運用コストは、導入費用だけで2000億~3000億円とも言われ、毎年の維持費も巨額になると思われます。これだけの投資に見合ったメリットがあるのかは疑問です。

 何より、情報流出と悪用が懸念されます。法案には「特定個人情報保護委員会」の設置や、漏洩に関わった職員らへの罰則が盛り込まれました。当然ながら必要な措置ですが、処罰をいかに厳しくしようとも悪意の漏洩や不正利用、ミスは決して防げず、ひとたび漏れれば取り返しのつかないことになります。

 

<消費税増税時には導入は間に合わず>

 

 マイナンバーは、消費税増税時の低所得者層対策の一つとして検討されている給付付き税額控除に欠かせない仕組みです。

 給付付き税額控除とは、所得税額が少なく、減税では十分に支援できない人に現金を給付する制度のことですが、法案では、国と地方自治体が納税情報をやり取りするのは2017年7月からとされております。消費税が10%に引き上がる予定の2015年10月の時点では導入に間に合わないということになります。

 

 

 

 

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