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2020/11/10

事務所通信11月号

事務所通信

 今回は、令和2年10月1日にビールなどに課される酒税の税率が変わり、家飲みが増えている昨今、酒税の税率の変更は家計に直結するものであるといえます。今回はどのように変わったのか、今後の流れも含めてお話しします。なお、税率の改定は今後、令和5年10月と令和8年10月にも実施されます。

 

1.酒税法による分類

普段飲んでいるお酒ですが、酒税は酒類にかけられる税金であり、酒類の税法上の定義は「アルコール分が1%以上含まれる飲料」となっています。酒税法では酒類を次の4つに分類しています。缶には下記の名称が書いてありますので興味のある方は探してみてください。

 ①発泡性酒類…ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類

 ②醸造酒類…清酒、果実酒、その他の醸造酒

 ③蒸留酒類…連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール、スピリッツ

 ④混成酒類…合成清酒、みりん、甘味果実酒、リキュール、粉末酒、雑酒

 

※昨年10月の消費税率引き上げの際に「みりんは酒税法上の酒類であるため軽減税率の対象とならず消費税率は10%に、アルコール分1%未満のみりん風調味料は酒類ではないので軽減税率の8%を適用する」となったのはみりんが④の混成酒類だからです。

 

2.今回の税率改正の対象となるもの

今回の改正で対象となるものは①発泡性酒類と②醸造酒類です。①の中のその他の発泡性酒類には新ジャンル(第3のビール)と呼ばれるビール系の飲料や、チューハイやサワーも含まれます。②の中の果実酒はいわゆるワインです。

 

3.税率の変化

今回の令和2年10月1日の改定及び令和5年10月、令和8年10月の改定による税率の推移(出典:財務省)

                                      

上記表から、ビールだと令和2年9月以前は350mlあたり77円の酒税だったものが令和2年10月から70円、令和5年10月から63.35円、令和8年10月から54.25円となり減税されていきます。一方、発泡酒は令和8年に税率が引き上げられ、新ジャンルも段階的に税率が引き上げられ令和8年10月からはビールと同じ税率となり、ビール系飲料は一律となります。つまりビールは減税され、発泡酒、新ジャンル(第3のビール)は増税されます。

 清酒・果実酒は4合瓶(720ml)で考えると、清酒は令和2年9月以前の86.4円から令和2年10月で79.2円になり、令和5年には72円となります。果実酒は令和2年9月以前の57.6円から令和2年10月に64.8円になり、清酒と同じく令和5年には72円となります。

つまり清酒は減税され、果実酒は増税されます。

 チューハイやサワーについては令和8年10月に350mlあたり28円から35円へ増税されます。

 

4.まとめ

今年の10月から3年ごとに酒税が改定されますが、酒類ごとに細かく分かれていた税率がかなりスリム化されることとなります。

ビール系飲料については最終的にすべて同じ税率になりますので低価格を売りにしていた発泡酒や第3のビールがどのようになっていくのか注目されます。

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