2020/01/14
事務所通信1月号
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
さて、2020年度の税制改正大綱が公表されました。今回の改正では、さまざまな改正案が提出されていますが、その中でも身近な改正案をご紹介します。
◆2020年度税制改正大綱
Ⅰ.オープンイノベーション促進税制の創設
アベノミクスの成果により増加してきた現預金等を活用して、イノベーションの担い手となるスタートアップ企業への新たな資金の供給を促進し成長に繋げていくため、国内の事業会社などから、一定のベンチャー企業に対する出資について、25%の所得控除を講ずるというものです。
1.適用期限:令和3年度末まで
2.出資を行う企業要件:国内事業会社又は国内事業会社によるベンチャーキャピタル(事業会社又はその子会社が運営し、持ち分の過半数以上を有するファンド等)
3.行為要件:
①1件当たり1億円以上の大規模出資。中小企業からの出資は1,000万円以上
②株主間の株式売買ではなく、ベンチャー企業に新たに資金が供給される出資
③一定の控除上限
④一定期間(5年間)の株式保有
※5年間以内に株式を譲渡した場合や配当の支払いを受けた場合等には、その事由に応じた金額を取崩し益 金算入することとなります。
4.出資を受けるベンチャー企業要件:
①新規性・成長性のある設立後10年未満の未上場ベンチャー企業(新規設立を除く)
②出資を行う企業又は他の企業グループに属さないベンチャー企業
5.報告要件:事業者は経済産業省に対し、1年間の出資案件に関して、「各出資が事業会社、ベンチャー企業双方の事業革新に有効であり、制度を濫用するものでないこと」を決算期にまとめて報告。
Ⅱ.未婚のひとり親に対する措置と寡婦(夫)控除の見直し
ひとり親家庭に対して公平な税制を実践する観点から、「婚姻歴の有無による差」と「ひとり親の男女差」を解消するために次の措置が講じられます。
①未婚のひとり親が生計を一にする子を有し、かつ未婚のひとり親の年間所得が500万円以下である場合には、寡婦(夫)控除を適用する。
※住民票により事実婚であることが明記されている場合は適用対象外となります。
②寡婦(夫)控除の適用要件について、今までは男性だけであった年間所得金額500万円の所得制限を女性にも設ける。
③子ありの寡夫の控除額(所得税27万円)について、子ありの寡婦と同額(35万円)にする。
Ⅲ.所有者不明土地等に係る固定資産税の課題への対応
現在、固定資産税を納める義務があるのは登記簿上の所有者ですが、所有者が死亡した場合に相続登記されないことで次の所有者が特定できずに所有者が不明の土地が増えており、固定資産税を払わずに土地を使える不公平な状況に歯止めをかけることを狙い制度改正が行われます。
①市町村が、所有者不明の土地等について、戸籍調査などの一定の調査を尽くしてもなおその所有者が一人も明らかとならない場合には、土地の使用者を所有者とみなして固定資産課税台帳に登録し、その使用者に固定資産税を課することができるようにする。
②登記簿等に所有者として登記がされている個人が死亡している場合、市町村長は、その土地等を現に所有している者に対して固定資産税の賦課徴収に必要な事項を申告させることができることとする。