お知らせ

2020/08/05

事務所通信8月号

事務所通信

 

❖ 年末調整手続きの電子化について

 平成30年度税制改正により、令和2年度の年末調整から、生命保険料控除、地震保険料控除及び住宅借入金等特別控除に係る控除証明書について、勤務先へ電子データにより提供できるよう手当されたこと等を受けて、年末調整手続の電子化に向けた施策が実施されます。

 今月号の事務所通信では、年末調整手続きの電子化に関する各種情報を紹介します。

 

 

Ⅰ.年末調整手続の電子化について

 年末調整手続の電子化とは、これまで、勤務先が用紙を配布し、その用紙に従業員が手書きで提出するなど、書面により行われていた年末調整手続について、電子データをやり取りすることにより、年末調整手続をデータ処理することであり、これにより勤務先・従業員双方の年末調整に係る事務負担を軽減するための施策です。

 

 

Ⅱ.電子化された場合の年末調整手続の手順

 年末調整手続が電子化された場合は、次のような手順となります。

① 従業員が、保険会社等から控除証明書等をデータで取得

② そのデータを「年調ソフト」(※)等に取り込んで従業員が保険料控除申告書などをデータで作成

③ 控除額が自動計算された保険料控除申告書等を勤務先にデータで提供

④ 勤務先において、提出されたデータを基に年税額を自動計算し、提供されたデータを保管

 

(出典:国税庁パンフレット「令和2年分からの年末調整手続きの電子化について~実施方法検討・周知編~」より抜粋)

※「年調ソフト」とは、従業員が作成する年末調整申告書を作成するために、国税庁が無償で提供するソフトウェアです。

※「マイナポータル連携」とは、年末調整申告書データ作成中に、保険料控除等で使用する控除証明書等データを、「マイナポータル」経由で一括取得する機能のことです。

(*マイナポータルとは、政府が運営するオンラインサービスで、パソコンやスマートフォンから行政手続等が利用できる個人用サイトです。)

(*マイナポータルを利用するためには、「マイナンバーカード」が必要になります。)

 

 

Ⅲ.年末調整手続の電子化のメリット

 年末調整手続の電子化には、以下のようなメリットが考えられます。

◆ 勤務先のメリット

保険料控除や配偶者(特別)控除の控除額の検算が不要

 従業員が、年調ソフトの控除額の自動計算機能を利用して保険料控除申告書や配偶者特別控除等申告書を作成することにより、控除額の検算事務が不要となります。

控除証明書等のチェックが不要(従業員が控除証明等データを利用した場合)

 従業員が提出した保険会社等の控除証明書等(書面)との突合作業が不要となります。

年末調整関係書類の保管コストの削減

 従業員から提供されたデータを原本として保管するため、書類の保管が不要となります。

 

◆ 従業員のメリット

控除額等の記入・手計算が不要

 これまで手計算していた配偶者(特別)控除や生命保険料控除の控除額について、年調ソフトに必要な項目を入力又は控除証明書等データを取り込むことにより、自動計算することができます。

 

 

Ⅳ.年末調整手続の電子化へ向けた準備

 年末調整手続の電子化には、以下のような準備が必要になります。

◆ 勤務先における準備

電子化実施の検討

 年末調整の電子化を実施するにあたり、従業員が使用する年末調整申告書作成用ソフトウェアについて「どのソフトウェアを使用するか」、「電子化後の年末調整手続の事務手順をどうするか」などを検討します。

従業員への周知

 従業員においても、保険会社等から控除証明書等データを取得するための手続など事前準備が必要となることから、電子化にあたっては、従業員への早めの周知が必要となります。

給与システム等の改修等

 従業員から提供を受ける年末調整申告書データや控除証明書等データを、ご利用の給与システム等にインポートし、年税額等の計算を行うための改修等を行います。

税務署への届出

 従業員から年末調整申告書に記載すべき事項を電子データにより提供を受けるためには、勤務先があらかじめ所轄税務署長に、『源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書』を提出し、その承認を受ける必要があります。

 

◆ 従業員における準備

年末調整申告書作成用のソフトウェアの取得、控除証明書等データの取得

 保険会社等から取得する控除証明書等データを利用して申告書データを作成するためのソフトウェア(国税庁が提供するソフトウェア等)を取得します。又、保険会社等のホームページ等から、控除申告書データを取得します。(*具体的な取得方法は保険会社等により異なります。)

 

 

❖❖❖ 法定調書のe-Taxによる提出義務化について ❖❖❖

( e-Tax又は光ディスク等による法定調書の提出義務基準の引き下げ )

※令和3年1月提出分より、法定調書「100枚以上」の事業者は、提出書類の電子申告が義務化されます!

 

 法定調書の「種類ごと」に「前々年」の提出すべきであった法定調書の提出枚数が「100枚以上」(現行は1,000枚以上)であるものについては、e-Taxを利用して送信する方法又はCD・DVDなどの光ディスクを使用して提出する方法によらなければなりません。

 

例) 令和元年(平成31年1月から令和元年12月)に提出した「給与所得の源泉徴収票」の枚数が「100枚以上」であった場合には、令和3年1月に提出する「給与所得の源泉徴収票」は、e-Tax又はCD・DVDなどにより提出する必要があります。

 

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