2018/07/10
事務所通信7月号
新固定資産税特例について
今回は、平成30年度改正で創設された固定資産税の新しい設備投資減税の要件と流れつい
て説明させていただきます。
現在、中小企業の業況は回復傾向にありますが、労働生産性は伸び悩んでおり、大企業との
差も拡大傾向にあります。また、中小企業が所有している設備は特に老朽化が進んでおり、生産
性向上に向けた足かせとなっています。今後の厳しい事業環境を乗り越えるため、労働生産性の
飛躍的な向上を図る目的でこの制度が創設されました。
1.特例措置の要件と内容
(1)対象者
資本金1億円以下の法人、従業員数1,000人以下の個人事業主等のうち、先端設備等導入
計画の認定(※)を受けた者(大企業の子会社を除く)
※労働生産性を一定程度向上させるため、先端設備等導入計画を策定し、所在する市区
町村における「導入促進基本計画」等に合致する場合に認定を受けることができます。
(2)対象設備
生産性向上に資する指標が同一メーカーの旧モデル比で年平均1%以上向上する下記の
設備
・機械装置(最低取得価格:160万円以上/販売開始時期:10年以内)
・測定工具及び検査工具(最低取得価格:30万円以上/販売開始時期:5年以内)
・器具備品(最低取得価格:30万円以上/販売開始時期:6年以内)
・建物附属設備(最低取得価格:60万円以上/販売開始時期:14年以内)
※家屋と一体となって効用を果たすものを除く
(3)その他の要件
①生産、販売活動等の用に直接供されるものであること
②中古資産でないこと
(4)措置内容
固定資産税の課税標準が、3年間、ゼロ以上1/2以下に軽減されます。
この割合は市区町村によって異なりますが、9割超の市区町村がゼロとすることとしてお
り、福岡市もゼロとされています。
2.設備の取得時期
この規定は、平成33年3月31日までに取得したものが対象となります。また、先端設備等導入
計画の認定後に取得することが必須となっております。ただし、計画の申請・認定前までに、工業
会の証明書が取得できなかった場合でも、認定後から固定資産税の賦課期日である1月1日まで
に工業会の証明書を追加提出することで特例を受けることが可能です。