2023/04/23
事務所通信4月号
改正電帳法 2023年内に対応すべきこと
2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法で、電子取引データの電子保存が義務付けられました。しかし、多くの事業者で準備が間に合わず、現在は2年間の宥恕措置が設けられ、2024年に電子保存が完全に義務付けられる予定です。今回は、2023年12月末までにやるべき対応についてお話しさせていただきます。
Ⅰ.改正電子帳簿保存法
2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法では、①電子帳簿保存、②スキャナ保存、③電子取引データ保存について定められています。このうち①と②の取組は任意、③電子取引データ保存のみ義務規定となります。今回、義務規定の③についてご案内します。
Ⅱ.電子取引データとは
交付義務のある取引情報を記載した文書(例:領収書や請求書、注文書、契約書、見積書など)で、紙ではなく電子データでやりとりしたものを「電子取引データ」と言います。受け取った場合だけでなく、送信した場合も対象です。
例 ) ・EDI取引
・インターネット等による取引
・電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含む)
・インターネット上にサイトを設け、当該サイトを通じて取引情報を授受する取引
Ⅲ.電子取引データの保存方法(4つのルール)
電子取引データは印刷して保存することは不可となり、オリジナルの電子データの状態で保存することが必要となります。原則、次の4つのルールを守って保存することが求められています。
【電子取引データ保存 4つのルール】
①と②については混乱なく対応できると思いますので、③と④の対応策をご案内します。
(1)ルール③「日付や取引金額、取引先で検索できる」への対応策
【対応策の例】
(2)ルール④「改ざん防止のための措置がとられている」への対応策
保存したデータが「正当なもの」と証明するために、次のいずれかの対応が必要です。
Ⅳ.令和5年度税制改正による制度の見直し
令和5年度税制改正により2024年以降の猶予として、相当の理由があると認められる場合は、一定の条件のもとに、4つのルールを満たさない電子取引データの保存を可能とする措置が設けられました。2024年からは下記のいずれかの対応をとる必要があります。