2018/01/13
事務所通信1月号
平成30年度税制改正大綱
昨年12月14日、平成30年度の税制改正大綱が決定しました。
今回の改正では、働き方の多様化を踏まえた個人所得課税の見直しや、デフレ脱却と経済再生に向けた企業の税制上の措置などが行われております。
そこで、今回は、平成30年度税制改正大綱のポイントについてお伝えいたします。
個人所得課税
(1)給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替
給与所得控除及び公的年金等控除の控除額が一律10万円引き下げられ、基礎控除の控除額が一律10万円引き上げ(所得税:38万円→48万円、住民税:33万円→43万円)られます。
※適用時期…所得税:平成32年度分以後 個人住民税:平成33年度分以後
(2)給与所得控除・公的年金控除・基礎控除の見直し
①給与所得控除について、給与収入金額が850万円を超える場合の控除額が195万円に引き
下げ(改正前:1,000万円超→220万円)られます。ただし、23歳未満の扶養親族や特別障
害者である扶養親族等を有する者等については最大15万円控除額が増加します。
改正後の給与収入に対応する控除額は下の表の通りとなります。
②公的年金等控除について、公的年金等収入が1,000万円を超える場合の控除額に195.5万
円の上限が設けられます。公的年金等以外の所得金額が1,000万円超の場合は、控除額
が更に引き下げられます。この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下
であること。
③基礎控除について、合計所得金額2,400万円超で控除額が減額し始め、2,500万円超で控
除なしとされます。
※適用時期…所得税:平成32年度分以後 個人住民税:平成33年度分以後
資産課税
事業承継税制の拡充
10年間の特例として、納税猶予の対象株式数の制限がなくなり、相続においても対象株式に係る相続税の全額が猶予されることになります。さらに、雇用確保要件の大幅な緩和、適用対象者の拡大、一定の要件を満たす納税猶予対象株式の譲渡、合併、解散等については納付額の減免措置が講じられるなどの改正が行われました。
※適用時期…平成30年1月1日から平成39年12月31日までの間に贈与又は相続若しくは遺贈に
より取得する財産に係る贈与税又は相続税
法人課税
所得拡大促進税制の改組
所得拡大促進税制とは青色申告書を提出する法人が、国内雇用者に対して支給する給与等を一定額増加した場合等に、 その増加額の一定割合に相当する金額を法人税額から控除することができる制度です。今年度改正により、賃上げ及び人材投資に積極的に取り組む企業に対する当該税制措置が強化されます。
※中小企業については、その期の平均給与が前期の平均給与と比較して1.5%以上増加して
いる等の要件を満たす場合にその期の給与から前期の給与を差引いた増加額について税
額控除ができる制度に改組されました。
※適用時期…平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に開始する事業年度